『月面探査記』に見た"のび太達の本気"
映画館を出た直後、色々と語りたくてスマホのメモ帳に書き込んだものの、アウトプットには至らずお蔵入りになっていたものを1年越しに。
のび太とルカ
地味に印象的だったのが、ゲストキャラ・ルカとの交流。
ミステリアスな転校生として、のび太たちと出会うルカは、のび太のことを「のび太」と呼び捨てにする。
映画で交流するゲストキャラは、「のび太くん」「のび太さん」などと呼ぶ印象があったので、個人的にはかなりの意外ポイントだった。
「のび太」「ルカ」と呼んで助け合い、笑い合い、涙しあう姿は、彼らが確かに「友達」「仲間」であったことを思わせる。
ルカの大人びた雰囲気も相まって、一味違う「のび太と友だちになった」姿を見せてくれた。
ひみつ道具の運用
これがまたちょいちょいガチ。
《スペアポケット》を「いざというときには道具を使って切り抜けて!」ではなく「いざというときにはポケットの中に逃げ込んで!(ドラえもんの《四次元ポケット》と繋がっていて、すぐに合流できるから)」と渡す辺りが特に印象的。(ポケモンの“テレポート”のような使い方である)
昔見た「ひみつ道具で能力バトル」みたいなSSを思い出す使い道。まさか公式で活用してくるとは…。
(スペアポケットを移動に使うのは大長編『ブリキの迷宮』でも“スペアポケットでドラえもんの元まで移動”を行っていたが、この時はのび太が咄嗟に思い付いただけ)
また、大長編でよく活躍する《ひらりマント》も無視できない。
敵のレーザーや電気ショックをひらりと躱す…というか跳ね返す姿は、さながら《聖なるバリア -ミラーフォース-》。
て、敵の悪党軍団が全滅っ…!!
ひらりマントという携帯ミラフォ
— カトゥーダ (@taka_rider) 2019年3月6日
さらに最終決戦では、普通にしても強そうな「ジャイアン+《声カタマリン》」の組み合わせを、超能力種族「エスパル」の力でさらに強化する鬼コンボを披露。
音響兵器で爆撃するかのような、“騒”快な活躍を見せていた。
歴戦のフォーメーション(?)
中盤、ウサギ怪獣と一戦交えるシーンにて。
ムービット達を乗せたアトラクションが落下するのを見るや、一斉にタケコプターで飛び出すのび太たち。
ドラえもんに投げ渡された《スーパーてぶくろ》を空中でキャッチし、見事にゴンドラを受け止める。
不慮のハプニングに対して、誰かかが号令をかけるまでもなく動き出し、流れるような連携で事を収める。
しかも騒動発生の直後。ルカを非戦闘員(!?)と判断し「危ないから待ってて!」と声をかけてから飛びたつ。
「歴戦の戦士」の動きは目を見張る他ない。『アベンジャーズ』でも観てるのかと思うほどのヒロイックな一幕であった。
ラストの展開について
カグヤ星の老人が「エスパル=ただの人間説」を語った辺りで「ラストに異説クラブセットを使い、カグヤ星で無事に暮らす」という予想には思い至った。
しかし実際には、カグヤ星を脱出した上で「異説化」することを選んだルカ達。
しかしせっかく《忘れろ草》で記憶修正までしたのだし、人間達の中で生き続けることもできたのでは…とも思った。
(一方で、今回1000年間にわたって追跡され続けていたことを考えると、あながち杞憂とも言い切れないのが怖い。ディアボロ亡き今、そこまでしつこく追ってくる敵もそういないだろうが…。)
しかも異説クラブセットは「現実改変」というより、「パラレルワールド生成」に近い効果のひみつ道具である(バッジが外れた者は、異説世界を知覚できないばかりか、干渉もできないように見えた)。
つまり、一度バッジを外せばその瞬間、能力も不死性も復活してしまいそうなもの。
どうも根本的解決にはならないような気がしてならない。
久しぶりの映画『ドラえもん』
最後に映画館でドラえもんを観たのは実に2001年、『のび太と翼の勇者たち』以来でした。
(パンフレットには、ワンダースワンやらゲームボーイカラー、辛うじてゲームボーイアドバンスソフトの宣伝が載っていた頃)
有名な小説家の方が脚本を手掛けたと聞いて、興味本位で観に行った本作。
予想を上回り、非常に楽しかったです。
ひみつ道具の使い方で小耳に挟んだ『ひみつ道具博物館(ミュージアム)』も、今度観てみたいな、などと思ったのでした。
Case File. 6
2020. 2. 29
改めて地上波で観て思ったこと:ゴダート将軍の演技力の事だけは、何も言うまい