大貧民の趣味ノート

趣味語りブログ。マイペースで更新。

組み上がるW/祝え!仮面ライダーWの10周年を!

2019年9月6日、10周年を迎えた『仮面ライダーW

「きれいに回収された前フリ」「全てが一本に繋がる、物語の統一感」「魅力的なキャラクター」それら全てをを併せ持つ姿が美しい。

そんな『W』語りの記事。

 

 

『W』の魅力は「世界観」

風の街、風都。その街と、街を愛する住人たち、そしてそれらを護る「仮面ライダー」。

本編に始まり、劇場版にVシネマ、小説版に漫画版まで、全てが世界観と物語に織り込まれた有り様。それが美しい。

  

フォームチェンジ

各サイド3種のガイアメモリを1本ずつ選び、9通りのハーフチェンジ形態に変身できる。

長所を伸ばし、あるいは短所を補う組み合わせが、色も戦い方も、見ていて楽しい。

  • 「トリガー」の銃撃に「サイクロン」のスピードを合わせ、速射性が上がる一方で精度が落ちる、サイクロントリガー
  • 「メタル」の鈍重さを「サイクロン」のスピード強化で補う(または、サイクロンのスピードをメタルの重さが相殺してしまう)、サイクロンメタル
  • 高火力の「トリガー」にこれまた高火力の「ヒート」を合わせ、過剰な火力を誇る、ヒートトリガー

こんな調子で9フォーム全部語りたいくらいだが、そこはまたの機会にしよう。

とにかく、毎回現れる多種多様なドーパントに、相性の良いメモリを使い分けて立ち向かう。「限られたカードでテクニカルに戦う」姿に、僕はものすごく惹かれたのだった。

 

そんな具合だからファングメモリの噂を聞いて、「ダブルのメモリは6本で十分!」「中途半端な7本目なぞ要らない!」「なんなら最強フォームも要らん!9フォームの使い分けこそ至高!」と憤りさえ覚えていた。

…今思い返すと頭が痛い。当時の仮面ライダーの世界に入りたての)自分に「次のライダーは『125フォーム+互換性なしがいくつか』だぞ」とか言ったら憤死するんじゃないか。

 

小説『Zを継ぐ者』の到来

放送終了から数年後に発売されたのが『小説 仮面ライダーW』。

前書きを読んだだけで、涙が出そうになった。

この小説をあなたの地球の本棚に寄贈します。

「B」と「Y」の間に置いて、末永く閲覧していただければ幸いです。

 

三条 陸

「このエピソードは、番外でも例外でもない。『仮面ライダーW』の、語られなかった一幕なんだ。」

本編には遂に出なかった『Z』のエピソードが、完璧な形で世に出てくれた。

三条陸氏がそれを執筆してくださったことに、心の底から感謝した。

 

漫画『風都探偵』へ

放送終了から7年。まさかの「続編が漫画で展開される」というド級のサプライズがあった。

満を持して現れたのは、TV版に負けず劣らずの個性的なドーパント。そして原典の設定、描写の補完に、「その後」の風都市民の姿。

 

最近だと『仮面ライダースカル』や『ビギンズナイト』の補完まで描かれ、ここでも涙が溢れた。

これからも楽しみにしています!佐藤まさき先生!三条陸先生!

(あと、たまに見かける「『風都探偵』実写化」なんて声は…正直本末転倒なので、できてもやらないで欲しい)

 

 

フィリップの成長

最終盤で特に目立つ、フィリップの精神的成長も、なかなか考えさせられる。

ユートピアドーパントに襲われる風都イレギュラーズや亜樹子を目の当たりにし、怒り、嘆き、崩れ落ちるフィリップ。風都を「僕の好きだったこの街」と称する心境。

 

「Wの検索」編では、顔見知りが犯人と知り思い詰め、心情に訴えようとする翔太郎を「甘い」「煮え切らないハーフボイルド」と酷評した挙げ句「(何故殴られたのか)どうしても解らなかった」などと抜かした魔少年から、よくここまで成長したものである。

 

けっこう早いうちに片鱗はあったが、1年の物語を経て、「魔少年」はかなり人間味のある存在に成長したのだ。

 

左翔太郎の完成度

逆に翔太郎は最初から「完成度が高かった」気がする。

誰もが認める「半人前」ながら、キャラクターとしては、『ウィザード』の「操真 晴人」並みに「完成されていた」のではなかろうか。

もちろん、「風が呼ぶB」や「Kが求めたもの」で、フィリップとの絆をさらに強め、挫折からの復活を遂げ、「残されたU」ではおやっさんの形見の帽子を手にして奮闘したが、それは「再起」や「決意」であって「成長」とは趣が違うように感じる。

 

「Nobody's Perfect」と語られた『W』の話だが、敢えて言う。

「左 翔太郎」はある意味で「完璧」だ。「これから成長するキャラクター」ではない。

「風都を護る」信念も、「悪魔と相乗りする」勇気も、「相棒がいる限り絶対に折れない」決意も、「辛い現実に望む」経験も、全てを持っている。

「ハーフボイルド」でさえも、(本人は絶対に認めないだろうが)人間味溢れる彼の「流儀」と化している。

まさに「完成されたハーフボイルド」が左翔太郎なのだ。

 

 〆!

『平成ジェネレーションズFINAL』では、アナザーダブルが現れながらも、(尋常じゃなく多忙な菅田将暉氏の出演がどうにもできなかったらしく)『W』のレジェンド要素は「風麺のマスターが翔太郎からダブルウォッチを預かってきた」に留まった。

 さらに鳴海探偵事務所のロケ地「旧鶴川座」が取り壊され、「『W』は過去の作品」感が増々強く感じられる。

が…残念ではあるがそれはそれ。

 いちファンとして改めて、心からお祝いを申し上げます。

 

仮面ライダーW』10周年、おめでとう!

 

おまけ

 

 

 

 

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